反射神経を上手に使って便秘を予防
人間は、胃・結腸反射、姿勢・結腸反射(起立反射)、視覚反射という3つの神経反射を使って、毎朝、快便するようになっています。この3つの神経反射をうまく働かせることが、便秘を防ぐコツです。
本来、人間は便秘になるようにはつくられていません。毎朝、便意を感じ、排便が起こるように働く、胃・結腸反射、姿勢・結腸反射、姿勢・結腸反射(起立反射)、視覚反射という3つの神経反射が備わっているからです。そして、特殊な病気がないかぎり、どんな人にも程度の差はあってもこの3つの神経反射は必ず見られます。
ですから、もともと人間がもっているこれらの反射神経を利用することが、もっとも自然な便秘の予防になるのです。
朝食をきちんと食べる
朝起きて、空っぽの胃の中に食べ物が入ってくると、その刺激により腸が動き出します。これを「胃・結腸反射」といいます。胃・結腸反射は、食事のたびに起こりますが、胃が空っぽの時間が長ければ長いほど、また、食事の量が多ければ多いほど活発になります。
また、朝、目覚めて、起きて立ち上がると、その刺激で大腸の蠕動運動が始まります。これを「
姿勢・結腸反射(起立反射)」といいます。朝は、この胃・姿勢反射が最も強く起こりやすいときです。ですから、朝起きたら、ある程度ボリュームのある食事を毎日きちんととることが必要です。
また、便をやわらかくしようと、水やお茶をガブガブ飲む人がいますが、胃酸の分泌を低下させて食欲不振をまねき、排便が不規則になることがあります。もっとも効果的な水分のとり方は、起床時に冷たい水やお茶をゆっくりと飲むことです。便に水分を与えると同時に、「胃・結腸反射」を起こす効果があります。
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